社会と家族。

こんにちは。
今度こそ約一週間ぶりに家論ゼミこと、
家の根本義ゼミナールのブログです。


さて、前回は家族と似ているのではという仮説のもと海賊について調べ、
"海賊と家族、海賊船と家はあまり似ていない。"
という予想と真逆の結論に至った我々。
「ならばもっと我々の家族や社会とは違ってそうな集団を調べてみようではないか。」
「そうだそうだ。」
「そうしよう。」
というのが今週の我々の魂胆でした。


今回扱った集団は三つ。



集団その1  "キブツ"

イスラエルに点在する数百人程度の集産主義的共同体で、
調べた限りでは大変安定してまわっています。
家ゼミが特に注目した点として、
キブツ内では親が子供を育てるのではなく、
子供をなんと乳児の頃から寮生活のような形式でキブツ全体が育てていることです。
ならばキブツ全体が大きな家族なのでしょうか?


興味が有る方はこちらのページをば。
なんでもボランティアとして働きにいくこともできるとか。
http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/dewks/trend/israel/israel.html




集団その2 "マンソン・ファミリー"

こちらは知る人ぞ知る、60から70年代にかけてアメリカに存在したカルト集団。
チャールズ・マンソンをカリスマ指導者とし、
略奪によって生活した、最終的には連続殺人に手を染めるコワい集団です。
白人富裕層を敵とて事件を起こした彼らは、アメリカ文化に大きな跡を残しています。
"ファミリー"とは名乗れど、
明らかに一般的な家族とは異なる彼らは如何なる集団だったのか・・・。


知りたくなってしまった人はこちらへ・・・。(コワい写真注意)
殺人博物館〜チャールズ・マンソン




集団その3 "オウム真理教"

ちょっとニガい対象が続きますね、こちらは皆様ご周知の通りです。
宗教団体と言う意味でも家ゼミにとっては未開拓の分野でしたが、
"サティアン"と呼ばれる彼らの宗教施設兼住居は
宗教施設にしてはあまりに無味乾燥な態が建築界でも一時期話題を呼びました。
内部の住居スペースはなんと今のマンガ喫茶・ネットカフェそっくり・・・。
ネカフェ難民と呼ばれる人達も増える中、
これからこういう超・家族的な集団が形成されないとも限りません。


サティアンについてはこちら。
サティアン - Wikipedia




各集団における構成員(親と子、教祖と信者など)の関係、
社会との関係(掠奪するだけ、労働と報酬の取引)などを改めて整理するうちに、
自分たちの家族と社会の関係もわかってきました。
そして如何に海賊やマンソンファミリーが"家族"とは正反対かも改めて理解。


またどうも社会システムから都合がいいのは
「子供を産み、働き、長生きはしないでもいい」
という風に思われているのでは?ということに。
「そうはさせるか!」
と、それなりに長生きしようと思い、
125歳説達成への第一歩を踏み出した我々でした。
http://www.waseda.jp/jp/okuma/episode/episode01.html


同時に働く人々の重要さがどれだけのものかを痛感、
将来の責務を考え、若人達の皆の眼がウツロになった回でもありました。
或は私だけでしょうか。



さて、来週は改めて、
現在の"家・家族"体制の基本を形成した農耕社会とは違った可能性、
狩猟採集民族・遊牧民族について調べてみようということに。
一体どんな違った価値観が我々を待ち受けるのでしょうか。



くろだ

ヨーホー♪ヨーホー♪オレたっちゃ・・・

・・・家ゼミ!







大変ご無沙汰しております。
家の根本義ゼミナールのブログ係に任命されていたことにさっぱり気づかず、
なにをやっていたのかと言われれば学生生活を送ってまいりました。
黒田でございます。

さて、なぜ久しぶりのクセに
更新を忘れていたにも関わらず、
こいつは呑気に海賊の歌なんか歌っているのかと思われたことでしょう。
しかしそれには理由があるのです。

夏季休業を経て、家ゼミがここ数週間取り組んできたテーマはなんと


"海賊"


だからといって我々が無法者の集団に成り下がったわけではありません。



「家族を成り立たせるのは血縁だけではない」

という仮説をもって家と家族について考察している我々。
血縁はないけれど、「家族のような集団」を形成している人たちのことを
調べてみようと考えたわけです。

「彼らはどのような共同体を形成しているのか?」
「彼らの"船"は家族にとっての"家"と同じものとみなすことができるのか?」

勿論海賊だけではなく、家をすみかにして船に暮らす
"海民"と呼ばれる人々のことも調べたりしました。



その結果我々がたどり着いた結論は、

"海賊と家族、海賊船と家はあまり似ていない。"

というもの。
はじめの目論見は外れたことになります。






いえいえ!
全く無駄だったなんてことはありません。
海賊と家族、船と家の何が根本的に違ったのか、
その意外な答えもわかってきました。

またその成果をどのように年度末に発表しようかという計画も
本格的に話はじめています。
決まり次第お知らせいたします。

それではまた。
今度こそ次週に次のご報告をいたします。



キャプテン・クロダ

間取りて思わざれば則ち罔し

というわけで、今回は数週間にわたり取り組んできた
間取りの総集編とも言える回です。

これまでに得た知識をまとめ、
図化し、
議論し、
勿論時には全員の頭の上に“?”が浮かぶ事も。

概して間取りにおいては廊下、
はたまた部屋と部屋を繋ぐ部屋について注目していました。
あるいは注目せざるを得なかったと言うべきでしょうか!


皆の議論をまとめようとする安藤さんがとても大変そうでした。


ホワイトボードにまとめつつゼミは進行。
おそらくゼミメンバーではない人にはほとんど何がなにやらの記述でしょうが、
我々の中では大分共通認識は得られています。


そんなわけで間取りシリーズは今回で終了しましたが、
次回からも新たなテーマで家とは何か?を解明していきたいと思います。
そしていつか皆さんに家とはこれだ!と答えを提示できる日も来るでしょう。

つづく[[[[]]]]

間取りて学ばざれば即ち危うし

そんなわけで、先週と今週は二週にわたり、
家の間取りについてのお勉強。



スクリーンも使いますよ!
なぜかスクリーンには金田一少年の事件簿のドラマが!
金田一少年に話が及んだのは“廊下は怖い”という話からでした。
皆さんが“懐かしい!”などと盛り上がる傍らで、
放送当時国外追放されていた私は話に入っていけず息をひそめていました。



さて、しかして本筋は文献を分担して読み、
レジュメを作成し、
それをゼミで皆に発表するというのが運び。
次に挙げる本で一通りの日本の庶民の住宅の変遷は掴めるという算段です。


今和次郎『日本の民家』・・・近世以前や最低限の住宅について

青木正夫『中廊下の住宅』・・・明治、大正期の住宅について
(清水美知子『“女中”イメージの家庭文化史』後日追加の補足文献として)

鈴木成文『51C白書』・・・震災、戦後の集合住宅について

山本理顕『住居論』

上野千鶴子『家族を容れるハコ 家族を超えるハコ』・・・建築家による住宅論


先ず一週目で各自自分が扱った文献のまとめを発表し、
二週目でその本によりわかったその時代の住宅変遷をチャートで表現しました。

家は神様やお客様、女中などなど
家族以外の存在との関係で色々な工夫がなされていることがわかったり、
戦後は経済事情、現代は社会や家族意識の変化など、
内的需要は勿論ですが、
外的要因から如何に影響を受け変化したかがよくわかりました。

このように発見は多く、
生まれた疑問で議論には華が咲きます!
昼下がりのティータイムから
夜がふけるまでゼミが続くこともしばしば。

お菓子を食べたり眉間にしわをよせて考えたり、
なりふり構わず楽しいゼミです。


みずひと

小津安二郎『お早よう』鑑賞会

本日は、小津監督の『お早よう』(1959)を皆で鑑賞しました。
次男のいさむちゃんがカワイイと人気です。
自分も妹を子分のようにつれ回していたという意見もあり。
なんでもない人々の、なんでもない日常から、
家の間取りについて映画後に考察しました。

テーマは“子供部屋はどこか?”。

主人公の2人兄弟を中心に、
子供の領域/大人の領域の違いや、
「理想の子供部屋」について話は広がりました。
また、同じ年代に建てられた住宅、スカイハウス(1958)との比較でも、
意見が飛び交いました。

よく見ていると、主人公と、
隣近所に住む友人達の性格は、
子供部屋の位置にも関連していることが分かります。
同じ平屋建てが並ぶ住宅地でも、
家の中の間取りは実は同じ部分と違う部分がかなりあり、
小津映画には珍しく?トポロジー的に矛盾が起きているのではないかと思われる部分も発見しました。
ヒントは庭です!

次回は間取り論を4文献、読み合わせます。

間取りストーミング

本日は、
以下の分野毎に2人組で分かれてたくさん間取りを持ち寄りました。
・ヴァナキュラー 
・一般住宅(伝統構法) 
・一般住宅(デザイナーズハウス) 
・建築家による住宅 
写真を取り忘れてしまうという失態。残念!


間取りをいったん解体し、
機能でダイアグラムを作ります。


住宅は雪だるまだ、という発見。
そして、一見「住めるの?」と思ってしまうような現代住宅の間取りでも、
分解して考えてみるとよく考えられているものもあり、
不自然なものもあり。


しばらくは
間取りを中心に、
家の根本義について展開していく予定です。

ブレスト

以前アップしたエントリーが消えてしまっていたので、再アップします。


今回のゼミでは、前回のブログで紹介した「家に関するキーワード」を、分類化・統合化して今後のテーマ方針を決める作業をおこないました。

19:00から始まったゼミは、夕食休憩をはさみつつヒートアップして、終わった時間はなんと23時過ぎでした。
結果、7つのテーマが決まりました。
今後、これらのテーマをブラッシュアップしていきたいと思います。


このキーワード、ここかな



うーん


できました!家、ブレスト一応の完了です。